今季の猟期で、狩猟者登録→罠の設置→鹿の捕獲→解体までを一通り経験できたので記録しておく。
猟友会加入・狩猟者登録
狩猟免許を持っていても自由に罠を設置していいわけではない。今回は狩猟として捕獲するので狩猟者登録というものを行う必要がある。

狩猟者登録をするには様々な手続きがあるが、基本的には各地の猟友会が手続きを代行してくれるので猟友会に入る。ハンター保険を扱っているのも現状猟友会のみ。どの道、先輩ハンター達との交流は狩猟をしていく上で必須なので猟友会にアクセスするのが大事。
実のところ、県猟友会なのか地方支部なのか個人なのか、どこに連絡すればよいのか迷子になっていた。その後もグダグダと後回しにしていたところ、たまたまハンターさんと知り合うことができてそのまま猟友会の会長さんに繋いでもらって前に進めることができた。
猟期以外も農地の獣害対策が必要で有害鳥獣駆除も行いたいという事を伝えると、今季のうちに狩猟者登録をしておくと来年度の隊員に登録できるということだった。他にも銃の申請も色々教えてもらった。猟友会大事。
もらってきた pic.twitter.com/eOTd908lvu
— たねのぶ (@mtane0412) January 7, 2026
罠の調達
今回の狩猟対象はニホンジカなのでくくり罠を設置することにした。岩手県はクマがアクティブなのでくくり罠の罠径が12cm以下のものに限られる。
今回設置する農地の人が罠代出してくれるとのことで、猟具を売ってるイノホイの安めの完成品を購入した。
止め刺しは子鹿やメスなら槍、オスならハンターに連絡して銃という手筈を整えた。
罠ごとに標識を作成する必要がある。県ごとにテンプレートや例があるので岩手県の例を参考にして作成。文字を1cm以上にすることとラミネートすることが必要。
法定の猟具標識だけでなく、万が一人が近づいたときも認知しやすいように注意標識も作ることにした。Canvaでサクっと作った。このA4の下の方に別で印刷した猟具標識を重ねてラミネートして設置する。
罠の設置
初心者なりに以下に気をつけながら探してみた。
- 鹿が確実に通ってそうな道
- 見回りがしやすく、運搬・解体しやすい場所
- 近くにくくり罠の固定に適した丈夫な木があるところ
付近を一通り散策したが、もうここしかないという場所を見つけた。


写真だとわかりづらいが長い1本の獣道になっていて、固定に適した大きな木が生えており、かつ踏める場所を限定できそうな場所だった。
動作確認もしてみる。
動作も確認できたので罠を設置する。

伐採された木で元々限定されていたので、さらに大きな石を手前に置いて踏むところをさらに限定した。
罠は法律で原則毎日見回りが必要なので
捕獲&止め刺し・解体
1日目、2日目と特に動きなしだったが、3日後に見回りをしたときに雄鹿がかかっていたのを発見。嬉しい反面、いきなりデカくてビビる。

雄なので念のため銃が必要ということになり、農地の知り合いのハンターに連絡して来てもらうことになった。現場を確認したがやはり銃が安全ということで止め刺ししてもらった。ハンターと一緒に近づくと鹿が立ち上がって逃げようとするがワイヤーで逃げることができない。銃の講習で見たように、射撃ポイントについたら静かに弾を装填し、心臓を1発で撃ち抜いた。大きな発砲音とともに自分よりも大きな生物が倒れた。最後の最後でまた命を奪う行為を代行させてしまったが、自分もいずれやるのだと決意を新たにすることができた。
そこから血抜き・解体を見せてもらった。冬だが汗だくになるくらいの大変な作業だった。鹿の解体は実際に行わないと身につかないのだろうが、解体するその日に鹿を仕留める必要があるので予定を立てるということができない難しさがある。そういう部分も狩猟のハードルの高さだよなぁと思った。
ナイフはガットフック付きのものが皮を剥ぐときに便利らしい(動画参照)。鹿の脂肪で切れ味がどんどん落ちていくのでシャープナーも持っておくと良いそうだった。
肉は血抜きのために水に漬けた。ノコギリで角を取った。角を取るのもなかなか大変で、半分くらいノコギリが入ったら足で折ると根元から取れた。この鹿の角は片方が欠けていて、多分他の雄と戦ったのだろう。この雄がいなくなったので、しばらくするとまた別の雄がやってくると言っていた。

感想
くくり罠に関しては雄鹿やイノシシ等で死亡事故も発生しているので、無理せず連絡してねとのことだった。鹿を対象に罠を仕掛ける場合にやはり自分で銃を持っておいたほうが良さそうだ。
法律上どうせ毎日見回るのだから、IoT的な罠検知システムの嬉しさはそこまでではないと思ったが、あるとやはり便利そうだと思った。鹿の行動を考えると日の出前にかかるのがほとんどだろうから出発前に準備や連絡ができるし、朝のうちに検知していなければそれほど朝急がなくてもよくなるかもしれない。日中に作動検知した場合はその日のうちに異常を確認することもできるようになる。何らか電子工作で試作してみようと思う。
狩猟免許を持っていても狩猟経験のない、いわゆるペーパー猟師が多いという問題があり、まさに自分もそれだったわけだが、今回は周囲の人たちにかなり助けられて最初の猟でこぎ着けることができた。初猟にたどり着くまでのハードルの高さは本質的に危険な猟に対して本気度のある人をある程度フィルターする役割もあるのだろう。現実問題として狩猟者を増やしていかなければならないという課題に対してどのような制度設計が適切なのだろうかについては狩猟しながら考えを深めていきたい。
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